第72回日本病跡学会総会
特別講演
2025年4月19日 15:00〜16:00
日比野克彦(東京藝術大学学長)
★★プロフィール★★
1958年岐阜県生まれ。東京藝術大学に在学していた80年代前半より作家活動を開始し、社会メディアとアート活動を融合する表現領域の拡大に大きな注目が集まる。その後はシドニー・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレにも参加するなど、国内外で個展・グループ展、領域を横断する多彩な活動を展開。また、地域の場の特性を生かしたワークショップ、アートプロジェクトを継続的に発信。現在、岐阜県美術館、熊本市現代美術館にて館長、母校である東京藝術大学にて1995年から教育研究活動、2022年から学長を務め、芸術未来研究場を立ち上げ、現代に於けるアートの更なる可能性を追求し、企業、自治体との連携なども積極的に行い、「アートは生きる力」を研究、実践し続けている。

アートは生きる力
人のこころは動き、うつろう。
その動き・うつろいがアートの表現になる。
微弱なうつろいもあれば、一人では抱えきれない動きもある。
その動き・うつろいの表現を感じる場として様々な媒体がある。
長い地球の時間の中で表現・媒体は変容し続けている。
けれども、
ひとのこころは、どうなのだろうか?
長い地球の時間の中で変わってきているのだろうか? いないのだろうか?
そもそもこころとは何なのか?
ひとつ確かに言えるのは・・・
アートによってこころは動く。
だから、
不思議なこころが集まっている社会の中で起こっている現代の課題に対して、
アートが作用することによって、社会の中の心が動きだすのではないだろうか。
アートが社会を動かすことができるのではないだろうか。
アートが人を生き生きとさせることができるのではないだろうか。
アートは人間にとっての生きる力なのだから、
屹度出来る。
(令和4年大学案内 学長メッセージより)