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シンポジウム・抄録一覧

4月19日(土)16:00〜18:00

臨床と地域における対話の実践と健康生成

シンポジウム1

孫 大輔(鳥取大学医学部地域医療学講座)

「健康生成的な対話について考える」

 「対話」という言葉は、単なる「コミュニケーション」とは異なる含意を持つものであり、その背景となる理念や目的にはいくつかの類型が存在する。医療現場においても、「医療コミュニケーション」とは異なる形で「対話」が行われる場面があり、その代表例として倫理ケースデリバレーション(熟議)やオープンダイアローグが挙げられる。…

4月19日(土)16:00〜18:00

そもそも対話とは何か?

シンポジウム1

平田オリザ(芸術文化観光専門職大学)

「健康生成的な対話について考える」

 現在の学習指導要領に「主体的・対話的で深い学び」という点が繰り返し強調され、にわかに「対話」という言葉が教育現場でもクローズアップされるようになった。しかしその「対話」の定義は明確ではない。
 私は三十年来、「対話」と「会話」を区別するところから出発するべきではないかと…

4月19日(土)16:00〜18:00

対話の健康生成を実践する──自助グループ、オープンダイアローグ的対話実践、当事者研究、当事者批評

シンポジウム1

横道 誠(京都府立大学)

「健康生成的な対話について考える」

 本発表は、著者が実践してきた自助グループ活動と研究活動についての報告を、「対話の健康生成」という観点に照らして論じる。著者は、自閉スペクトラム症、ADHD、アルコール依存症の診断を受けた経験に依拠して、現在合計10種類の自助グループを運営している。これらのグループでは、当事者研究やオープンダイアローグ的対話実践などをつうじて、精神疾患などの当事者の孤立感の軽減、自尊心の向上、相互支援を…

4月20日(日)15:00〜17:00

田中一村──発達特性と健康生成的な生き方

シンポジウム2

華園 力(はなぞのクリニック)

「日本人画家の健康的な側面に光をあてる」

 田中一村は幼少の頃から画才を発揮し若くして南画家として評価されていた。東京美術学校に入学するが2ヶ月で中退。その後、千葉に移住し創作を続けたが中央画壇には認められず、50歳を過ぎて奄美大島に移住した。紬工場で染色工として働きながら奄美の自然を描き続けたが、ほとんど世に知られぬまま69歳で生涯を閉じた。没後、遺作展やTV番組で取り上げられると全国的に注目を浴び、…

4月20日(日)15:00〜17:00

芸術家と同時代を生きる人々のための「健康生成学」──村上隆の創作活動と伝承の問題

シンポジウム2

牧瀬英幹(中部大学生命健康科学部)

「日本人画家の健康的な側面に光をあてる」

 フロイトは、『モーセという男と一神教』の中で、次のように述べている。

「早期の外傷に対する反応を研究すると、その反応が厳密には現実に当人が体験したものには即しておらず、むしろその体験から離れており、系統発生的な出来事としての典型的反応にはるかに近く、総じて系統発生的な出来事の手本の影響によってのみ解明され得る、という事実に我々はしょっちゅう驚かされるのである。…

4月20日(日)15:00〜17:00

藤田嗣治の戦争体験をめぐって

シンポジウム2

宮下規久朗(神戸大学大学院人文学研究科)

「日本人画家の健康的な側面に光をあてる」

 藤田嗣治(1886~1968)は、近代日本を代表する洋画家にして、国際的にもっとも大きな名声を博した日本の美術家である。後に軍医総監となる父のもとに生れ、東京美術学校卒業後、父の援助によってパリに渡って制作する。乳白色の肌と繊細な線描による女性ヌードや猫の絵によって画壇の寵児となり、エコール・ド・パリの中心人物となった。第二次世界大戦が近づくと帰国し、…

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